JRAノーザンファーム「異例のゴリ押し」が生んだ“実態なきバブル”!? 新種牡馬ドゥラメンテ「絶望的」裏事情で大暴落の危機……
日本ダービー(G1)翌週から、来年のクラシックを見据える新馬戦が開幕して早1カ月。今年も様々な良血馬がデビューを果たしているが、最も話題となっているのは、期待の高かった新種牡馬モーリスの産駒が「未だ勝ち星なし」という実態だろう。
これまで16頭がデビューして、18戦0勝……昨年ディープインパクトとキングカメハメハの2大巨頭を失ったノーザンファームが誇る「新時代の旗手」と期待される大物としては、やはり先行きに不安が残る結果と述べざるを得ない。
新馬開幕2日目にアスコルターレが1番人気に応えてデビュー勝ちし、上々のスタートを切ったドゥラメンテ。しかし、その他の産駒は鳴かず飛ばず……結局ここまで11頭(計14戦)がデビューして、アスコルターレ以外は馬券圏内(3着以内)すらない状況である。
「モーリスとドゥラメンテは今年の新種牡馬の目玉的な存在で、ノーザンファームとしても今月13日、14日に控えるセレクトセールに向けて、少しでも産駒のアピールをしておきたい思惑があります。その結果、2頭合計27頭がデビューして、わずか1勝止まりとは……さすがに計算違いなのは間違いないでしょうね。
しかもモーリス産駒が勝ち星こそないものの【0.4.3.11】であることに対して、ドゥラメンテは【1.0.0.13】。前評判ではドゥラメンテの方こそアベレージタイプと言われていたのに、真逆の結果が出ています。この数字だけを見ても話題のモーリスより、むしろ“ヤバい”のはドゥラメンテの方でしょうね」(競馬記者)
「種牡馬入り後、初年度の種付料を400万円に設定されたドゥラメンテとモーリスですが、実はドゥラメンテの種付料だけが上がり続けているんですよ。1、2年目は同額の400万円で推移していたんですが、昨年600万円に値上げされると、今年はさらに700万円にアップ。産駒がまだ1頭もデビューしてない段階で、これだけアップするのは異例のことです」(同)
基本的に新種牡馬の種付料は、産駒がデビューして結果が出るまでは慎重な姿勢であることが多い。例えばモーリスは今も400万円から変動しておらず、ディープインパクトやキングカメハメハといった後の大種牡馬でさえ、人気が落ち着き、産駒のデビューが控える3年目・4年目は種付料を逆に下げている。
しかし、その一方で400万円→400万円→600万円→700万円と右肩上がりに種付料が上昇し続けているドゥラメンテ。産駒がまだ1頭もデビューしていなかった段階で、これだけ“独り歩き”した背景には、ちょっとした“ドゥラメンテ・バブル”があったようだ。
そんなバックアップもあって、一昨年、昨年のセレクトセールではドゥラメンテ産駒が大人気だったんですよね。ノーザンファームがドゥラメンテの種付料に対して強気な姿勢を見せているのは、現場での周囲の関係者やバイヤーの評価が非常に高かったことが理由の1つになっているのでは」(競馬記者)
実際に一昨年のセレクトセール当歳に初めて上場されたドゥラメンテ産駒だが、アイムユアーズの2018がいきなり1億8000万円(以下、税抜き)という高値で落札。ディープインパクトやキングカメハメハらを相手に全体2番目の高額落札となった。
さらに昨年のセレクトセールでも、5頭が億超えを記録。一方のモーリスが最高でも5600万円だったことなど、注目度が落ちる2年目としては異例の人気ぶりだった。
「昨年のセレクトセールでは、すでにドゥラメンテの父キングカメハメハの状態が思わしくなかったことあって、完全にボスト・キングカメハメハ……いえ、ノーザンファームの次代のエースという雰囲気だったんですけどね……。
ディープインパクト、キングカメハメハという2頭が亡くなったことで、700万円の種付料はロードカナロア、ハーツクライに次ぐ第3位。産駒がこのまま低空飛行では、その“反動”も大きいと思いますよ」(別の記者)
先述した一昨年のセレクトセールにおいて1億8000万円で落札されたのが同馬。父も手掛けた陣営の評価も「すごく学習能力の高そうな馬。ひと追いごとに良くなっている」と上々だが、ここは崖っぷちの父の名誉に懸け、必勝と行きたいところだ。