中年太郎の競馬ニュースまとめ

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RAノーザンファーム時代終焉へ「16億円」大勝負の“答え”が今週末に!? 「33億円の悲劇」から26年……日高関係者の“命運”を背負った良血がついにデビュー!

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この春のクラシックでは、コントレイルとデアリングタクトという無敗の二冠馬が生まれた。それだけでも日本史上初の出来事だが、その2頭が近代競馬の「支配者」と述べても過言ではない成功を収める社台グループ・ノーザンファームの生産馬ではないことは、さらに驚くべき事実だろう。

 

 加えてノーザンファームは昨年、ディープインパクトキングカメハメハという大種牡馬を相次いで失った。1985年にシンボリ牧場が獲得したのを最後に、34年間連続で社台ファーム、もしくはノーザンファームが生産者リーディングを守り続けているが、一部の識者や関係者の間では、この2020年が「歴史の転換期の始まりでは」と、まことしやかに囁かれている。

 

 そんな中、カルフレグランス(牝2歳、美浦・新開幸一厩舎)という馬が、今週11日の新馬戦(芝1200m)でデビューを迎える。

 

 祖母の兄にドバイワールドC(G1)を勝ったシルバーチャームがいるものの、各メディアの取り扱いを見ても、決して目立った存在ではない。しかし、カルフレグランスのデビューに熱い視線を注いでいるのは、決してオーナーの吉田和子氏だけではないはずだ。

 

 何故なら、この馬には1度大きな……そして長く“苦節”を味わう多くの生産者たちの「夢」の断片が詰まっているからだ。



昨年11月、社台グループ1強の生産界にビッグニュースが駆け巡った。新ひだか町静内に拠点を置く株式会社ジェイエスが、約16億という巨額のオファーで米国の超大物カリフォルニアクロームを購入。日高のアロースタッドで繋養されることが決まったのだ。

 

 カリフォルニアクロームといえば、日本競馬に革命を起こしたサンデーサイレンスと同じ米国の二冠馬であり、2014年、16年と2度にわたって米国の年度代表馬に選出された歴史的名馬。日本のダート王ホッコータルマエが挑んだ2016年のドバイワールドC(G1)をレコードで制したことを覚えているファンも多いはずだ。

 

 2017年の引退当初は米国で種牡馬入りしていたが昨年、ジェイエスら日高の生産者が集って購入に踏み切ったのだ。

 

 そして、カルフレグランスは一足早く米国で誕生したカリフォルニアクロームの初年度産駒であり……日本では「初めて産駒がレースに出走する馬」である。

 

 無論、もしカルフレグランスがデビュー戦で凡走したとしても、それでカリフォルニアクローム種牡馬としての価値が決まるわけではない。しかし、それでもジェイエスら日高の関係者にとっては、16億もの大枚を叩いて勝負に出た「夢」の答えの一端が垣間見られることには違いないだろう。

 

 今から26年前の1996年、社台グループ全盛の真っただ中、ジェイエスら日高の生産者は一度、“大勝負”に出て完膚なきまでに敗れた苦い過去がある。30年を超える社台グループの成功を語る上で、この悲劇は避けることのできない歴史的な出来事だった。

 

ジェイエスらが購入に踏み切ったのは、前年に4戦4勝の無敗で欧州三冠を成し遂げ「神の馬」とまで称されたラムタラ。約21億で始まった交渉だったが、最終的な購入額は約33億円という日本競馬史上最高の巨額となった。当時の日本はバブル崩壊直後、購入者たちの命運を懸けた大勝負だったことは述べるまでもないだろう。

 しかし、種牡馬ラムタラの産駒は関係者の願いも空しく、まったくと述べて良いほど走らなかった。

 約10年間の種牡馬生活で、JRAの平地重賞を勝てたのはメイショウラムセス富士S(G3))ただ1頭という悲惨な結果に終わる。なお、2006年に英国へ売却した価格は約2750万円。購入額33億円の1%にも満たない、あまりにも厳しい現実を突きつけられた。

 一方、ほぼ同時期に社台グループが購入したサンデーサイレンスは13年連続でリーディングサイアーを獲得するなど、日本の競馬に革命を起こすほどの活躍を見せた。以後、時代は完全なる社台グループの1強時代に突入する。

 あれから約25年の時が流れ、緩やかではあるものの日本の競馬界は、大きな転換期を迎えようとしているのかもしれない。ただ、それは日高の関係者はもちろん、拮抗した争いから生まれる日本競馬全体の活性化を望んできた社台グループ側の積年の願いでもあるのだ。

 だが、そこには「2度目の正直(タイキシャトルを含めれば3度目の正直)」となるカリフォルニアクロームの成功が必須といえる。来たる日本産の産駒のデビューは3年後だが、まずは今週末、カルフレグランスが最初の一石を投じるはずだ。