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25日にアスコット競馬場で行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝2410m)。今年は4度イギリスのチャンピオントレーナーに輝いているJ.ゴスデン厩舎の管理馬が2頭、17年には世界中のG1で28勝を挙げ、平地G1の年間世界最多勝記録を更新したA.オブライエン厩舎の管理馬が6頭の計8頭がエントリー。名伯楽同士の一騎打ちの様相を呈している。

 

 名伯楽が手掛ける馬たちによる熱い走りが期待されるが、その中でも主役と考えられているのは、18年、19年と凱旋門賞連覇を達成するなど、足掛け2年で重賞11連勝(内G1・10勝)と無類の強さを見せたエネイブル(牝6歳、J.ゴスデン厩舎)だ。

 

“世界最強牝馬”の称号にふさわしい走りを見せていたエネイブル。それにほころびが生じたのが、昨年の史上初となる3連覇を懸けて挑戦した凱旋門賞だった。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたエネイブルは、最後の直線で逃げ馬を捉えて先頭へ。前人未到の偉業達成なるかと思われたその瞬間、ヴァルトガイストが外から強襲。交わされたエネイブルは、2着に終わった。

 

 そして今月5日。雪辱を胸にイギリスのサンダウン競馬場で行われたエクリプスS(G1)に挑んだエネイブルだったが、逃げたガイヤースを捉えきれずに2馬身1/4差の2着。いつもの豪脚は鳴りを潜め、レース後は「衰え」を指摘する声すらもあがっていた。

 

 だがレース前からゴスデン師は「本当に良くなるのは、このレースを使ってから」とコメント。陣営は休み明けひと叩きしたここからが本領発揮だと考えているのだろう。エネイブルは再び“世界最強”の座につくことができるのだろうか。

 

 またゴスデン厩舎からは前走のハードウィックS(英G2)を制したファニーローガン(牝4)も出走予定。競馬には2頭出しは人気薄を狙え、という格言があるがここで主役を食う走りを見せるか?

 

 そのゴスデン厩舎陣営の前にはオブライエン厩舎の馬たちが立ちふさがる。まず対抗はG1競走で5勝の実績を誇るマジカル(牝5歳)だ。

 

 昨年の凱旋門賞は5着に終わったが、連闘となった英チャンピオンステークス(G1)で、G1競走2連勝中だったアデイブ、日本馬ディアドラを抑えて優勝すると、今年に入ってからもプリティポリーステークス(愛G1)で2着に4馬身1/2差をつけて圧勝。キングジョージ6世&QESに歩を進めた。

 

 充実一途をたどりつつあるマジカルに“エネイブル超え”のチャンスが訪れている。

 

 キーファーズの松島正昭代表がクールモアグループとともに共同オーナーになったことで、日本でも広くその名が知られることになったジャパン(牡4歳)も侮れない。



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昨年はパリ大賞インターナショナルSとG1・2連勝を達成。だが2番人気に支持された凱旋門賞で4着に終わると、今年のプリンスオブウェールズS(英G1)で4着、前走のエクリプスS(英G1)でも3着とイマイチ波に乗り切れていないようだ。

 

 松島代表が結んだ契約は、『凱旋門賞武豊騎手』とのリクエスト付きとのこと。今年はコロナ禍で日本からの遠征は難しいかもしれない。だが、武豊騎手を背に乗せて凱旋門賞に出走する可能性を少しでも残すためにも、ここは好走して次に繋げたいところだ。

 

 またこれら以外にも昨年の英ダービー(英G1)覇者アンソニーヴァンダイク(牡4歳)、昨年の愛ダービー(愛G1)勝ち馬ソヴリン(牡4歳)。またメルボルンカップ(G1)10着後、中3日で出走したマッキノンS(豪G1)で見事優勝を果たしたマジックワンド(牝5歳)、この辺りで一花咲かせることも期待されるサードラゴネット(牝4歳)が出走登録されている。

 

 ふたりの名伯楽がプライドを懸けて行われることになった今年のキングジョージ6世&QES。どちらに軍配があがるのだろうか?