コロナ禍も大盛況に終わったセレクトセール。主催者・社台グループ以上に「安堵」した人々とは……

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7月13日・14日に開催されたセレクトセール新型コロナウイルスの影響から、売り上げ減の危惧どころか、一時は開催自体まで危ぶまれていた同セールだったが、フタを開けてみれば、落札総額はセール史上2位となる187億6200万円を計上。大盛況に終わった(1位は昨年の205億1600万円)。

 

 もちろんこの結果は、セレクトセール主催者を安堵させたに違いない。だが、その主催者以上に胸を撫で下ろした人物がいたはずだ。ズバリそれは、この後8月に開催される「セレクションセール」「サマーセール」に生産馬を上場させる北海道日高地区の生産牧場の方々だ。

 

「それまでの国内市場が延期や中止、あるいは、入札方式やインターネットを利用するなど形を変えて行われてきました。そんな中、セレクトセールで『実馬を見てセリに参加する』という、本来の形でのセリが無事に行えたことは何よりだったと思います」(日高地区の生産牧場主)

 

 セレクトセールにも“日高の馬”は上場されていたが、同セリのメイン上場馬は、いわゆる「社台グループ」の生産馬。日高地区の生産馬は「セレクション」「サマー」が主場となる。

 

 この2つのセリは、いずれも1歳馬のみの上場となるのだが、上場頭数はセレクトで上場された1歳馬が249頭だったのに対し、セレクションとサマーは、合わせて実に1347頭が上場される(セレクション=225頭、サマー=1148頭)。開催日数も8月24日のセレクションを経て、25日~28日がサマーと計5日に渡り開催されるのだ。

 

 売り上げや平均落札価格こそ、すでに“ブランド化”しているセレクトには及ばないものの、サラブレッド市場としては、国内最大規模といっていい。

 

「特に今年のセレクトセールでは、ディープインパクト産駒の希少価値もあったと思いますが、それでもコロナ禍という状況を考えれば、想像以上に売れた印象はあります。

 

セレクトの会場では『代理人を立てて電話で競る』という馬主さんの姿も目立っていたようですが、やはり“タイムラグなく競る”というセリ本来の形ができれば、馬主さんは手をあげてくれる。これが分かったのは大きいし、セレクション・サマーに上場する、多くの日高の生産者の励みになったと思います。

 

ディープインパクト産駒こそいませんが、ドゥラメンテエピファネイア、モーリス、リオンディーズアジアエクスプレスマクフィなど、注目種牡馬の産駒も多数上場されますし、“セレクトで買えなかった”馬主さんのニーズにも十分、応えられると思っています」(同)

 

 セリ会場のある新ひだか町・静内では例年通り、セリ期間中の近隣ホテルは、すでにどこも予約満室。今のところキャンセルも出ていないという。セレクトに続く好結果を期待できる状況は整っている。

 

 ただ、こうした喜ばしい状況下にあっても生産者は気を引き締める。



「東京での感染者の報道などを見る限り、いつまた移動制限がかかるかわかりません。競馬だって、いまだに無観客開催が続いていますしね。何より……このコロナ禍が馬主さんの経済に影響をもたらすのは、来年以降になるんじゃないか。そんな風に考えています」(同)

 

 今年を乗り切れればそれでいい、という気持ちはサラサラなく生産者に楽観は見られない。その思いは当然、日高地区だけにとどまらず、先に結果を残した千歳・胆振地区の社台グループ生産者たちも同様のはずだ。

 

 日高では、サマーセールの後も「セプテンバーセール」(9月22日~24日)、「オータムセール」(10月19日・20日)の1歳セリ開催が控えている。

 

 まずは、これらのセリが最後まで無事に開催されることを祈りたい。