JRA安藤勝己氏ライオンボス「スプリンターズS(G1)挑戦」を示唆!? アイビスSD(G3)限界見せた千直王者の「今後」と「進化の軌跡」とは

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26日に新潟競馬場で行われたサマースプリントシリーズ第3戦アイビスサマーダッシュ(G3)は、2番人気のジョーカナチャンが優勝。一方、1番人気ライオンボス(牡5歳、美浦和田正一郎厩舎)は、アタマ差の2着に敗れた。

 

「悔しいですね……」

 

 開口一番、主戦の鮫島克駿騎手からは重い言葉が紡ぎ出された。いつも通り好スタートを決めたライオンボスだったが「前半はジョーカナチャンの方が速くて、ついていけなかった」と振り返った通り、勝ち馬に主導権を奪われ、得意の逃げに持ち込めず。最後は馬体を併せる形に持ち込んだが、アタマ差だけ競り負けた。

 

「千直のチャンピオンとしてファンに支持してもらっているので、結果を残さないといけない立場。申し訳ない」

 

 2着とはいえ、単勝2.4倍の1番人気馬での敗戦だけに鮫島克騎手もガックリ。昨年のアイビスSD直前で落馬負傷し、ライオンボスは田辺裕信騎手が代打を務めて優勝。今年の挑戦には期するものがあっただけに、ショッキングな敗戦となってしまった。

 

 しかし、その一方で記者はライオンボスの今後に向けた「進化の軌跡」が垣間見えた一戦だったという。



「勝ったジョーカナチャンとは斤量差もありましたし、2着でも強い内容。ライオンボスが千直の現役王者であることは間違いないでしょう。

 

ただ、それ以上に3番手から結果が出たことには驚きました。陣営も『以前は脆いところがあったが、解消されて成長している』とコメントしていましたが、まさにその通りで競馬ぶりに幅が出てきた印象です」(競馬記者)

 

 記者曰く、陣営は最近ライオンボスの最終追い切りをあえて緩めに行っているという。

 

 確かに昨年のアイビスSDの最終追い切りは美浦のポリトラックで5ハロン69.1秒、ラスト11.8秒だったが、今年は同じポリトラックの5ハロンで76.1秒、ラスト13.2秒と明らかに緩い。

 

「陣営にとっての大きな課題が、ライオンボスの今後。昨年は10月にもう一度千直(ルミエールオータムダッシュ、OP)を使った後に、今年の4月まで休養しています。

 

しかし、千直レースがないシーズンを丸々休養では、あまりにも活躍の場が限られてしまいますし、何より賞金的にも今後は58kg以上の可能性が大。如何にライオンボスでも苦しくなるのは、この日の結果を見ても明らかでしょう。陣営が秋のスプリンターズS(G1)などを始めとした1200mへの本格挑戦を計画していても、何ら不思議ではないですよ」(同)

 

 ライオンボスが、これまで上げた6勝はいずれも1000m。1200m以上では馬券に絡んだことさえない。今年4月の春雷S(L)でも8着に惨敗しており、距離延長で苦戦する可能性が高いのは明らかだ。

 

 だが、その一方でライオンボスの1200m挑戦成功を予言している大物がいる。元JRA騎手のアンカツこと安藤勝己氏だ。

安藤氏はこの日のアイビスSD後に自身のTwitterを更新。ライオンボスに触れる中で「渋くなっとる感じもあって、近いうちに1200mはこなすかもしれない」とコメント。千直王者の新たな可能性を示唆している。

「1000mでしか勝てていないライオンボスですが、その内2勝は新潟の千直ではないように、決してコーナーワークに問題があるわけではありません。今年、敗れた春雷Sでも勝ち馬とは0.3秒差でしたしね。

スピード能力自体は現役屈指ですし、道中で息を入れることをマスターすれば『あと200mの壁』を破ってもおかしくないと思います。ここに来て陣営が番手の競馬を覚えさせているのも、その辺りの影響があるのはないでしょうか」(別の記者)

「前に馬を置く形でもリズムよく走れていた」

 レース後、反省の弁に徹した鮫島克騎手だが唯一前向きだったコメントは、まさにライオンボスの進化を示すものだった。

 果たして絶対的舞台で“限界”を見せた千直王者は、今後どこへ舵を切るのか。秋のスプリント界に新風が巻き起こるかもしれない。