JRA藤沢和雄厩舎「遅れてきた大物」が壮絶な困難乗り越え3連勝! 2歳時早期入厩も「骨折→長期休養→未勝利大敗→去勢」からの快進撃!

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26日の札幌競馬場では、HTB賞(2勝クラス、芝2000m)が行われ、単勝1.7倍の断然1番人気、レッドアルマーダ(セン5歳、美浦藤沢和雄厩舎)が後続に3馬身差をつけ快勝した。

 

 レッドアルマーダはこれで3連勝。5月時点で未勝利だった馬が、約2か月という短い期間で3勝クラスにたどり着いた。しかし、これまでの道のりは決して順風満帆ではなかったようだ。

 

 2017年夏に一口馬主クラブ『東京サラブレッドクラブ』から総額2400万円で募集されたレッドアルマーダ。2018年の2歳時には4月中旬という、かなり早い時期に美浦トレセンに入厩するなど、将来の活躍を期待された1頭だった。

 

 しかし、入厩から僅か5日後に骨折が判明。全治1年という診断が下され、いきなり“引退危機”を迎えてしまう。手術時には当初の見立てほど状態は悪くなかったことが判明したが、傷が癒えてクラブから入厩に向けたコメントが発表されたのは、術後7か月が経過した2019年、3歳の1月になってからだった。

 

「3歳の正月明けには『1月下旬に入厩予定』という発表がありました。しかし、トモの疲れやソエ、熱発などが重なって、外厩での調整が続きました。結局、美浦トレセンに再入厩したのは、骨折から1年以上たった6月。この年から『スーパー未勝利』が廃止され、レッドアルマーダにとっては非常に厳しい状況でした」(競馬記者)

 

 それでも入厩から約1か月後の8月上旬の未勝利戦でようやくデビュー。結果は既走馬相手に11着だったが、未出走のままの引退は回避した。その後は9月に新潟ダート1800mの未勝利戦に出走するも10着に敗れた。

 

 2戦続けて2ケタ着順に終わり、選択肢は「引退」、「地方に転厩」、「格上挑戦」の3つに絞られた。そこで陣営が出した答えは、なんと格上挑戦での続戦だった。

 

「(陣営の判断に)ネット上の競馬ファンからは『もう引退させていい』。『盛岡からやり直して』という声まで聞かれました。

 

さらに11月には去勢され、ここから再び外厩調整が長く続きます。レッドアルマーダが3度目の入厩を果たしたのは今年の4月下旬。普通の馬なら、諦めてもおかしくなかったと思います」(同)

 

 復帰戦は5月の二王子特別(1勝クラス)だった。8か月ぶり、しかもほとんどの出走馬が1勝馬ということもあって、レッドアルマーダは13頭立ての9番人気に甘んじた。



しかし、半信半疑の復帰戦でレッドアルマーダは2馬身差をつけ完勝。骨折から実に2年以上の月日が流れていたが、陣営は判断が正しかったことを証明して見せた。

 

 6月には再び1勝クラスを快勝。今度は1番人気に応えたもの。そして26日の2勝クラス(HTB賞)をあっさり突破。場合によっては、レッドアルマーダはすでに引退していてもおかしくなかったはずだったが、根気強く復帰に導いた関係者の苦労が報われた格好だ。

 

「入厩直後の骨折や外厩での長期にわたる調整などもあって、多くのファンはレッドアルマーダの活躍を諦めていたはずです。それでも藤沢調教師はそのポテンシャルを信じて、4歳春まで我慢しました。そして3連勝で出資者に報いたことはさすがの一言です」

 

 次走は8月29日に札幌で行われる「オホーツクS(3勝クラス、芝2000m)」が候補に挙がっている。デビューすら危ぶまれたレッドアルマーダのサクセスストーリーはまだ始まったばかりだ。