JRA武豊×エアスピネル“名コンビ”vs帰ってきたG1馬タイムフライヤー×ルメール!! 北の地に素質馬が集結【エルムS(G3)展望】
8月9日(日)、札幌競馬場でエルムS(G3、ダート1700m)が行われる。毎年秋のダート戦線を盛り上げてくれそうな素質馬が集結することで知られているが、今年は武豊騎手×エアスピネル(牡7、栗東・笹田和秀厩舎)の名コンビが、ここで復活するということもあり、例年以上の注目を集めている。
エアスピネルは鮫島克駿騎手を背に迎えた前走のプロキオンS(G3)で2着。約1年ぶりの出走に加えてダート初挑戦とあって、8番人気に留まったものの、中団の前めで運ばれると、直線で伸びて2着と好走。いい意味で期待を裏切ることに成功した。
今回は鮫島克騎手から、かつて名コンビと謳われた武豊騎手にスイッチ。武豊騎手はエアスピネルにデビュー戦から12戦連続で騎乗。16年は皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)ともに4着、菊花賞(G1)3着と、勝利には届かなかったがクラシックを完走していた。
翌年も鞍上を務め、マイル路線に転向初戦となった京都金杯(G3)も勝利。このコンビでのG1制覇も夢ではないと思われていた。だが、前哨戦である富士S(G3)を快勝していたにもかかわらず、マイルCS(G1)で、突如R.ムーア騎手に乗り替わりが発表されたことから、先行きに暗雲が立ち込める。
そのマイルCSは2着に終わり、続くマイラーズC(G2)では武豊騎手に手綱が戻ったものの3着。その後、武豊騎手が同馬の鞍上を務めることはなかった。武豊騎手と袂を分かったエアスピネルは福永祐一騎手とコンビを結成するも連戦連敗。その後は故障で長期離脱を余儀なくされていたが、前走で見事に復活を果たしている。
古馬となってからは年始こそ芝のレースで使われたが、夏からダートへ転向。当初は結果が伴わなかったものの、3戦目の武蔵野S(G3)で2着と適性を見せると、7戦目となるマリーンS(OP)で待望のダート初勝利。好位追走から、上がり最速の脚を使って2着に0秒6差を付けて圧勝している。
ダートでG1・2勝目をあげるためにも、ここが踏ん張りどころ。不甲斐ない走りを見せるわけにはいかない。
芝では芽が出なかったが、6歳時の夏にダートに転向すると一変。条件戦を連勝し、シリウスS(G3)で2着と好走して、G1初挑戦となったチャンピオンズCでも2着に入ってみせた。
昨年は重賞を連戦して結果を出してきた。今年は始動戦の川崎記念(G1)こそ5着に終わったものの、続くダイオライト記念(G2)で逃げ切り勝ち。前走のアンタレスS(G3)では好位追走から早めの仕掛けを見せて2着と好走している。
札幌競馬場はキャリア初だが、22戦中19戦も手綱を握る頼りになる“相棒”大野拓弥騎手を背に好走を誓う。
他の競馬場の重賞レースでは壁に跳ね返されているハイランドピークだが、北の地では一味違う。18年のエルムSでは3番手追走から最後の直線で抜け出して、重賞初勝利を達成。翌年も勝ち馬モズアトラクションから0秒3差の2着と好走している。
札幌競馬場ダート専用ともいえる成績を残しているハイランドピークが、今年も輝くか。伸び盛りの横山和生騎手が鞍上を務める。
エルムSは9日(日)15時35分発走予定。夏の暑さにも負けない熱いレースを期待したい。