JRA福永祐一と川田将雅が認めた「良血」に躍進の気配!? 吉田隼人の「助言」で定まった方針と「天運」を味方に偉大な兄を追う
ステファノスと言えば、3歳春から毎日杯(G3)3着、皐月賞(G1)5着と重賞で活躍し、古馬となってからは香港のクイーンエリザベス2世C(G1)、天皇賞・秋(G1)、大阪杯(G1)で2着するなど、G1の名脇役として活躍した名馬だ。
その全妹である本馬もデビュー戦を快勝し、2戦目の重賞クイーンC(G3)挑戦で2着と、競走馬として華々しいスタートを切った。その後、クラシックの壁に跳ね返されたものの準オープン(現3勝クラス)で2着、3着と好走。
そこから陣営は新潟1800m、阪神1800mとワンターンのレースに拘りを見せていますが、雨に降られて本来の力が発揮できていない印象。ワンターンの良馬場なら一発が見込めるんじゃないでしょうか」(競馬記者)
確かに、吉田隼騎手の助言があったクイーンSを最後に、ノド鳴り改善の休養をしたフィニフティだが、復帰後は近2走ともワンターンのレースに出走。しかし、2走前は直前に雨が降り、前走も重馬場と“天”に見放されている感が強い。
「3歳春のクイーンC(G3)で川田将雅騎手に乗り替わりとなった際、デビュー戦の手綱をとった福永祐一騎手から『将来的に走ってくる』的な事を言われたそうです。川田騎手もレース後に『持っている能力に体が追い付いてないけど、乗り味はいい馬』と高く評価していた事からも、完成は兄のステファノス同様、古馬になってからと示唆していたように思います」(同)
潜在能力の高さは関係者たちも認めており、やはり血統的にも兄同様、古馬になっての成長が期待されるところ。所属するキャロットファームの規定では来春での引退が決まっているだけに、陣営もなんとか復活の兆しを掴みたいと思っているに違いない。
「先週は栗東の芝コースで追い切り、ラスト12.2秒。2歳馬を大きく追走して遅れはしましたが、馬なりだけに余力も十分でした。併せ馬できっちりと負荷をかけられましたし、カイバもよく食べているそうで、暑い時期でも体調は良好と言えそうですね。今週のひと追いで態勢は整いそうとの事でしたよ」(関係者)
体調も万全となれば、やはり気になるのは「馬場」である。復活のカギを握る天気予報であるが、週末の新潟競馬場は「雨のち曇」という微妙な予報……。
こればかりはどうしようもないが、陣営としても良馬場での競馬を望んでいる事であろう。
輝く太陽の下で出走できる日はいつになるのか……。
天の女神が微笑んだ時、それが復活の舞台となる事に期待したい。