JRAレパードS(G3)夏競馬”絶好調”のアノ厩舎に思わぬ落とし穴!? 連勝狙うラインベックに立ちはだかる不吉なデータとは
夏競馬になって友道康夫厩舎が絶好調だ。
7月の七夕賞(G3)を7番人気ブラヴァスで2着、先週のクイーンS(G3)では11番人気レッドアネモスで優勝。2着に入った4番人気ビーチサンバも同じく友道厩舎の管理馬で、2頭出しのいずれもが馬券に絡むワンツーフィニッシュを達成した。
札幌では”2頭出しは人気薄を狙えの”格言を体現するどころか、11番人気と4番人気で最高の結果を残した。その一方で、新潟は2番人気で3着とはいえ、しっかりと複勝圏を確保したことも現在の勢いを象徴しているといえそうだ。
だが、初重賞勝ちを目指した昨年の東スポ杯2歳S(G3)でコントレイルの前に9馬身差の3着と完敗。その後もホープフルS(G1)を4着、皐月賞(G1)を15着、NHKマイルC(G1)を8着とG1戦線では力不足を露呈した。
そこで陣営が新境地として挑んだのが、前走の西脇特別(2勝クラス・ダート1800m)だった。血統的には芝での活躍が目立つ産駒を多数送り出しているディープインパクトなら母もダート未出走のアパパネである。ラインベックは母の3番仔であるが、長男のモクレレも次男のジナンボーもダートは使われたことがない。
このような血統の背景的にもダートのレースに使うことは、厩舎としても大きな挑戦だったといえるかもしれないが、川田将雅騎手とのコンビで挑んだラインベックは期待に応える見事な勝利を飾った。
レースでは1枠1番の最内から好発を決めると、すかさず先頭に立って主導権を握った。直線に入っても脚色は衰えず、ゴール前でも手応えに余裕をもって駆け抜け、初挑戦のダートも問題なくこなしたのである。
「最内枠から中途半端に下げてしまうと砂を被るリスクもあるため、逃げを選択した川田騎手の好判断も光りましたね。残念ながら川田騎手はデュードヴァンに騎乗が決まっていますが、川田騎手も前走は初騎乗でしたから初コンビのM.デムーロ騎手でも問題はないでしょう。
ラインベックは安定して好位からの競馬が出来ているようにレースセンスもあります。おそらく後ろからの競馬になる可能性が高いデュードヴァンにとっては、厄介な存在となりそうです」(競馬記者)
そこで大きな援護射撃となりそうなのが、現在の新潟のダートの傾向である。
7月25日から始まった夏の新潟は、現在4日間の開催が終了。
ダート1800m条件は全部で9鞍組まれていたのだが、そのすべてで4コーナーのポジションが3番手以内だった馬が勝利している。
先行力が武器のラインベックにとっても、初重賞を飾るには絶好のチャンスといえそうだ。
唯一、不安材料があるとすれば、芝では数多くのG1馬を輩出してきた友道厩舎も、これまでダートの重賞は未勝利と対照的なことだ。
現在の友道厩舎の勢いが不吉なデータを打ち破ることは容易かもしれない。