中年太郎の競馬ニュースまとめ

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JRA栗東勢「新潟制圧」の裏に美浦勢の“致命的”弱点露呈……関西関係者の「暗黙の了解」と、関東との「決定的な違い」とは

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 今夏の新潟競馬における「関西馬」の大暴れが止まらない。

 

 7月25日の開幕週から8月2日までの2週・全48レースのうち、実に34レースで関西馬が優勝。8月1日は、1R~10Rまで関西馬が10連勝するまでに至っている。出走頭数が東西でほぼイーブンであることを考えれば、かなりの偏りだ。

 

 ご存じの通り、7月25日から8月9日までの3週は、新潟と札幌の2場開催。とりわけ新潟競馬は、小倉競馬がの休止されていることから“東西統一戦”の形となっている。

 

関西馬強し」のいわゆる“西高東低”は常識として知られるところだが、ここまで顕著になってしまっているのは何故だろうか。

 

「西高東低が叫ばれるようになったのは、ここ30年くらい。そのきっかけは栗東トレセンに坂路ができたことに端を発します。もちろん東西格差を埋めるべく、関東でも美浦トレセンの設備充実などが図られ、調教師も努力をしてきました。

 

確かにオープン馬の数などは、いまだに関西馬の方が断然に多いですし、西高東低に変わりはないと思いますが馬の質などを含め、以前ほどの東西差はないように感じます。

 

馬の質にはそこまで差がないのなら、次に考えられるのは『状態』ですよね。ただ、トレセン施設などの問題も今は解消されているわけですから、調教ではない。それ以前の問題なんじゃないかと思います。例えば『検疫』とかね」(競馬記者)

 

「検疫」とは、競走馬が受ける個体検査のこと。トレセンなどJRAの施設に入るすべての競走馬に義務付けられている。個体の識別はもちろん、獣医による臨床検査や血液検査などが細かく行われる。

 

「検疫は日時が決められていますから、完全予約制。また、一日に受けられる頭数も決まっていますから、予約が殺到すれば溢れてしまうこともあります。特に今の時期は2歳馬との入れ替えも多く、ただでさえ混む時期。そこにきて、今年は当初予定されたオリンピックなどの関係から、検疫の日程も変則となりました。

 

そのため、例年以上に混んでいるようなのですが……そんな中、『検疫が取れない』という声は、関東の厩舎関係者から聞かれることが多いんです。

 

対して関西の調教師などからはあまり聞かれない。東西で受けられる検疫頭数が違うのかといえば、そんなこともない。むしろ、ある関西のベテラン調教師は『こっちは、関東ほど検疫で苦労してないと思う』と言います。

 

理由を聞くと『関西は、調教師同士で検疫のやり繰りをするから。関東はそういうとこが少し希薄なんとちゃうかな。「なんでウチが……」みたいな(苦笑)。持ちつ持たれつの関係で、上手いことやってるから、関西の調教師は検疫が取れる・取れないで苦労することはあまりないよね』とのこと。

 

もちろん、関東の調教師間で検疫のやり繰りをまったくやってないことはないと思いますが、少なくとも関西の方が定着しているようです。

 

検疫が予定通りに取れるということは、必然的に調教スケジュールも予定通りに進められるってこと。より調整に狂いが生じにくい環境にあれば、そのぶん良い状態でレースに行ける確率が上がるのも当然ですよね。関西馬が新潟で強い根本的な要因として考えられるんじゃないですか」(同)

 

 調教師として、お互い“ライバル同士”という関係にありながら、関西ではこうした暗黙の了解が定着しているのは「馬」のため、そして「いい競馬」を見せるためという考えが根底にあるからではないか。

 

 確かに関西馬が強いことにも合点がいく。もちろん、記者が言うように「関東の調教師がすべてそうではない」ことは付け加えておきたいが……。

 

「そういえば、ある馬主さんから『出走予定馬が除外になった理由で、関東の先生からは「検疫が取れなくて……」ということはよく聞くけど、関西の先生からは検疫で除外ということはあまり聞かない』という話も聞きます」(同)

 

 新潟・札幌の2場開催は今週まで。この流れからすれば、3週連続で「強い関西馬」が見られることとなる。今週も新潟の馬券は「関西馬をベース」に組み立てることから始めるのが賢明のようだ。