小倉記念(G3)「重賞連対率100%男」長岡禎仁がまたも大波乱演出! JRA重賞騎乗は16番人気「単勝142.6倍」で2着のあのレース以来

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 またも、この男が大波乱を演出した。

 

 16日、小倉競馬場サマー2000シリーズ第3戦・小倉記念(G3)が行われ、10番人気のアールスター(牡5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が優勝。鞍上の長岡禎仁騎手は、これが嬉しい重賞初制覇となった。

 

 14頭立てで行われた芝2000mのレース。開幕週の小倉はセオリー通りの前残りが頻発しており、このレースも好スタートを切ったタニノフランケルに、出ムチを入れてミスディレクションが競り掛けるなど、序盤から激しい先行争いが展開した。

 

 その結果、前半1000m通過58.1秒は昨年の60.4秒よりも2.3秒も速いペース。さらに勝負所の3コーナーで後方にいたロードクエストが一気にまくりを仕掛け、それに呼応するかのように1番人気のランブリングアレーも進出を開始、各馬が早めに動き出したことでレースはいよいよ“激流”となった。

 

 そんな中、インの中団でじっと我慢を重ねていたのがアールスターと長岡騎手だ。

 

 最内の経済コースを回った最終コーナーでポジションを上げると、長岡騎手が「あとは僕が進路を探すだけでした」と振り返った通り、最後の直線では前を走っていたタニノフランケルがわずかに外に動いた瞬間を見逃さなかった。

 

 アールスターを狭いスペースへ潜り込ませると、最後は2着サトノガーネットらの追撃を振り切ってゴール板を駆け抜けた。

 

「ハイペースを見越して、レースが動いた時にもよく我慢していましたし、インに拘った点もお見事。最後の直線は前が開くかどうかの一か八かの競馬だったと思いますが、腹を括った長岡騎手のファインプレーだったと思います。

 

レース後に、(アールスターを管理する)杉山晴紀調教師が『長岡騎手の勝利』と語っていた通り、これが重賞初勝利とは思えない見事な騎乗でした」(競馬記者)

 

 杉山厩舎と長岡騎手といえば、今年2月のフェブラリーS(G1)で、最下位16番人気となる単勝142.6倍のケイティブレイブで2着したコンビだ。三連単46万馬券の立役者となったが、10番人気で勝った小倉記念でも137万馬券を演出するなど、改めて“穴コンビ”ぶりを見せつける格好となった。



「元々、美浦でデビューした長岡騎手は、ルーキーイヤーに1勝しか上げられなかった苦労人。さらに2017年の4月には落馬事故により、約半年の戦線離脱を余儀なくされています。その後、復帰できたもののお手馬のほぼすべてを失ってしまったことで、栗東への移籍を決意。関西を拠点に騎乗しながら、昨年5月に正式に栗東移籍となりました。

 

この小倉記念の勝利が今年3勝目と、決して恵まれた状況ではありませんが、JRAの重賞に限ってなら、大仕事をした2月のフェブラリーS以来の騎乗。改めて大舞台で勝負強いところを見せましたし、今後の注目度も上がるでしょうね」(別の記者)

 

 ケイティブレイブフェブラリーSで2着した際、普段から調教を付けている長岡騎手との「人馬の絆」が注目されたが、今回のアールスターも中間から長岡騎手が付きっきりで調教に跨り、このレースに懸けてきた。レース後には、元JRA騎手の安藤勝己氏もTwitterを通じて「長岡は自分で調教乗っとる馬は特徴掴めとる」と称賛している。

 

「一番は、大きい舞台に乗せて頂いた杉山先生、オーナー、スタッフの方々に感謝の気持ちを伝えたかった。結果で応えることができてホッとしています」

 

 騎手として厳しい道を歩んでいるからこそ、周囲への「感謝」の気持ちを忘れない長岡騎手。乾坤一擲の「勝負騎乗」を今度はいつ披露してくれるのか。大舞台で波乱を演出し続ける穴男に、いよいよ熱い視線が集まってきた。