JRAシンハライト「1番仔」セブンサミットが今週デビュー! 来年2月「引退」石坂正調教師の「集大成」、好調・福永祐一で盤石の態勢か
生命を繋いだ母の分まで……。
母は現役時代に6戦5勝と活躍した名牝シンハライト。
桜花賞(G1)こそ宿敵ジュエラーの豪脚に屈したが、敗戦はその1度のみ。新馬戦、紅梅S(OP)、チューリップ賞(G3・現G2)とデビューから3連勝し、桜花賞を挟んで、オークス(G1)、ローズS(G2)を連勝と、「世代最強」牝馬としての呼び声も高かった。
そんな、非運の運命を辿ったシンハライトだが、その初仔であるセブンサミットは健康優良児としてスクスクと成長。牧場時代から「綺麗で大きなトビ」を見せると高い評価を受けてきた。
父モーリスが圧勝で飾った衝撃の引退レースは、距離2000mの香港カップ(G1)。父の産駒は新潟で既に3勝を挙げており、「稍重」や「不良」で勝ち切っている事からも、開催が進んだ今の新潟2000mをこなす可能性は高そうだ。
ただ、唯一の心配は来年の2月いっぱいでの引退が予定される石坂正調教師である。
過去には、ジェンティルドンナ、ヴァーミリアン、ベストウォーリア、ブルーメンブラットと多彩な名馬を育て上げた名伯楽だが、近年は引退に向けてペースダウン。2016年のシンハライト以降G1勝ちはおろか、重賞勝ちにも見放されている。
しかも、来年の2月で引退という事は、石坂調教師本人が本馬をクラシックへ送り出すのは不可能。モチベーション維持など、問題は少なくないだろう。
ただ、ここは母シンハライトから受け継いだ「絶好の機会」であるのも確か。クラシックは無理でも、息子であるセブンサミットで暮れの2歳G1を目指すことはできる。
19日は栗東CWコースで、レースでも騎乗する福永騎手が跨り、併せ馬で追い切りを行った本馬。先行する馬が遅かったこともあり時計自体は目立たないが、「想定内」と陣営の予定通り調整は進んでいる。福永騎手も「追ってからがいいし、とてもいい馬」と手応えを掴んでいる様子で、デビュー戦を迎えるに当たって不安のない状態で出走を迎えられそうだ。
母がリタイアしたクラシック戦線だが、それを補う丈夫な馬体を父から受け継いだセブンサミット。
石坂正調教師の「集大成」が、本馬で見られる事に期待したい。