【大チャンス・田中大樹スペシャル】

競馬では武豊、競輪では神山雄一郎吉岡稔真、そして将棋では「ひふみん」加藤一二三・九段に藤井聡太2冠と、現実は時に物語りを超えることがある。今節でそんなストーリー性を醸し出しているのは、南佑典が駆る83号機だ。

初降ろし節の3月21日、川上剛が2コースから鋭く差して、初勝利を飾った。その時の笑顔とコメントは今でも忘れられない。「行き足中心にパワーがある。気温が変わってもいいまま。マイナス20度とか極端になったら調整を考える」とジョークを口にしていた。それから4カ月、勝率7・05、優勝率は脅威の40%超とエース機へと成長した。準優を堂々と逃げ切った南も「ターンミスをしても挽回できる。負けるなら藤原(啓史朗)くらい」と自信たっぷりだ。

イン藤原はデビュー2度目の優勝へ気合が入り、59号機も出足や回り足などを中心に仕上がっている。ただ、南も16年5月浜名湖以来となる2度目の優勝への思いは強い。藤原の内を鋭く差して抜け出すとみる。相手は2枠南、準優同様に速攻を狙う末永由楽、大外でも怖い松崎祐太郎を指名。舟券は(2)(1)、(2)(3)、(2)(6)流しの12点で、83号機伝説を楽しみたい。