中年太郎の競馬ニュースまとめ

ギャンブル速報&ニュースまとめの中から競馬関連を抜粋した内容のみ投稿をしていきます!

JRAセントウルS(G2)ダノンスマッシュ「21世紀無冠の帝王」襲名にマジック「1」!不安克服でスプリンターズSへ名乗りも……

19supurinta-zu_danonsumasshu01
 13日(日)、中京競馬場で、スプリンターズSの前哨戦セントウルS(G2)が行われた。勝ったのは1番人気に支持されたダノンスマッシュ(牡5歳、栗東安田隆行厩舎)。ハイペースで飛ばす先行馬3頭を見ながら好位の4番手を進み、最後は2着メイショウグロッケを振り切って、1馬身差をつけた。

 

 前哨戦では無類の強さを誇ってきたダノンスマッシュだが、この日の単勝オッズは3.0倍。幾つかの不安要素が重なり、レース前は“危険な人気馬”という見方もあった。

 

1つ目の不安要素が、中京芝1200m では不利とされる8枠16番という枠順。2つ目が、これまで「1-1-0-5」とやや苦手にしていた左回りへの対応。そして最後が、距離延長で臨んだ前2走で逃げの手を打っていたことの悪影響だ。

 しかし鞍上の三浦皇成騎手がほぼ完璧な手綱さばきを見せ、全ての不安をかき消すことに成功した。

 ダノンスマッシュは、外枠から好スタートを切ると、三浦騎手は迷うことなく積極的に位置を取りに行く。ハイペースで飛ばすセイウンコウセイ、ラブカンプー、ビアンフェの3頭を前に見る4番手追走という理想の形に持ち込むと、手応え抜群で直線へ。残り200m手前で早くも先頭に躍り出ると、そのまま後続の追撃を振り切り、左回りも全く問題にしない完勝劇だった。

 この勝利に元JRA騎手の安藤勝己氏は自身のTwitterで「前2走の逃げをリセットする理想的な勝利」と3つ目の不安もクリアしたことを示唆。さらに鞍上の三浦騎手もレース後「1400mや1600mを使ってきたのが、道中のゆとりに繋がった」と語るなど、不安要素を見事プラスに転じさせることに成功。重賞6勝目を挙げたダノンスマッシュにとって、残すのは過去7度の挑戦で叶わなかったG1タイトル奪取だけとなった。

 ただ、その一方でダノンスマッシュは、3週間後のスプリンターズS(G1)で悲願に挑むことになるが、もしここでG1獲りを逃した場合は、「21世紀の無冠の帝王」襲名が近づくことになる。

 2000年以降にデビューした馬の中で、G1を勝つことなく、最も多くの重賞を制覇したのがバランスオブゲームという馬だ。

 デビュー2戦目の新潟2歳S(G3)にはじまり、現役最後のレースとなったオールカマー(G2)まで重賞7勝を挙げた。しかし14度挑戦したG1では一度も勝つことなく、7歳でターフを去った。

 これに続く重賞6勝を挙げたのがフェイムゲームクラレントだ。前者はG1・9連敗、後者は同12連敗で現役を終えている。この2頭に並んだダノンスマッシュは、あと1勝でバランスオブゲームに並ぶことになる。スプリンターズSで「21世紀無冠の帝王」襲名を回避することはできるのだろうか。

 悲願のG1制覇を狙うのは鞍上の三浦騎手も同じだ。これまでJRAのG1には89度挑戦してきたが、その高い壁に阻まれてきた。セントウルSで完ぺきな騎乗を見せたことで、スプリンターズSでもタッグを組む可能性が高まった。もしこのコンビでG1を勝てば、まさに“悲願”という言葉がぴったり。結果が出るのは3週間後だ。