JRA毎日王冠(G2)あのレースの台頭で「G3降格」危機!? 将来的な「低レベル化」必至で存在意義に疑問の声も……サリオスの試金石として機能せずか
昨年はインディチャンプ、アエロリットなどG1馬5頭が集結。ハイレベルな1戦を制したのはダノンキングリーだった。
また、過去には2009年の勝ち馬カンパニーがその後、天皇賞・秋、マイルCSとG1・2連勝。1998年はサイレンススズカとエルコンドルパサー、グラスワンダーが激突するなど、競馬の歴史を語る上で重要なレースと言えるだろう。
だが、今年の出走を予定しているメンバーから、レースレベルの低下が懸念される。
1番人気が予想されるのは、3歳世代No.2のサリオス。古馬との初対戦でどれだけのパフォーマンスを見せられるか注目が集まる。
しかし、それ以外の出走メンバーはカデナ、コントラチェック、ダイワキャグニーなど。重賞ウィナーではあるが、G1の舞台では力不足が否めない。サリオスと同じく3歳馬で、日本ダービー(G1)4着のサトノインプレッサが、どこまでやれるかといったところだ。サリオスにとって試金石の一戦となるはずが、物足りないメンバー構成と言えるだろう。
今年の毎日王冠でメンバーが集まらなかった要因は2つ考えられる。
この背景には外厩施設の充実が影響している。直近2年の皐月賞(G1)はサートゥルナーリア、コントレイルが前哨戦を使わずに、ホープフルS(G1)からの直行で優勝。必ずしも、前哨戦を戦う必要がないことが証明されつつあるのだ。
そして、もう1つの要因となっているのが、富士Sが今年からG2に昇格したことだ。
「毎日王冠は1800mという天皇賞・秋とマイルCSの間の距離で行われるG2ということで、多くの有力馬が出走してきました。しかし、富士SがG2に昇格して毎日王冠との賞金差が埋まったことにより、マイルCSを目標にする馬は富士Sに向かっているようです。毎日王冠はG1昇格すら熱望されるレースだっただけに、これは寂しいですね……」(競馬記者)