JRAミルコ「なんで?どうして?」凱旋門賞(G1)エネイブル撃破の裏で、「運命の2択」成功へ導いた兄の“助言”とは
今年の凱旋門賞は降り続いた雨の影響で馬場が悪化し、コンディションは不良での開催。さらにA.オブライエン厩舎の所属馬4頭が出走取消をしたことで、ペースを握る馬が不在となったことも、混迷を極める一戦となる要因のひとつだった。
この異例の状況に泣いたのが史上初の凱旋門賞3勝を狙ったエネイブル。昨年よりもさらに悪化した馬場状態と超スローペースに泣き6着に敗れた。その一方、地元フランスのソットサスが先行押し切り勝ち。鞍上のC.デムーロ騎手にとっては初の凱旋門賞制覇となり、先月に他界した父に捧げる勝利となった。
「この勝利は天国の父への贈り物です。お父さんが天国から僕のことを見てくれているのを願っています」
兄にJRA所属のM.デムーロ騎手を持つC.デムーロ騎手。2009年、当時16歳で騎手デビューし、11年は222勝、12年はイタリア記録となる264勝を挙げてイタリアのチャンピオンジョッキーに輝いた。現在はフランスに拠点を活動中。また、短期免許で来日していることで、日本でもお馴染みのジョッキーだ。
「デムーロ兄弟は年が一回り以上離れており、クリスチャンにとってミルコは憧れの存在だったようです。そんな弟が凱旋門賞制覇という偉業を達成したことで、兄にもいい刺激になったのではないでしょうか。日本でもM.デムーロ騎手が亡き父に捧げる勝利を秋G1で挙げることに期待したいですね」(競馬記者)