JRAアーモンドアイから「闘魂」注入! 秋華賞(G1)マジックキャッスル「仮想デアリングタクト」で“椅子取りゲーム”のリベンジへ
桜花賞(G1)は重馬場をものともせず、大外一気の豪快な勝ちっぷり。オークス(G1)はなかなか進路が空かないという危機的状況に陥ったが、抜け出してから異次元の末脚を繰り出して優勝した。デアリングタクトが世代屈指の実力を持っていることに、疑いの余地はないだろう。
重馬場を苦にして桜花賞を大敗したマジックキャッスル。オークスは前走の大敗、距離不安から14番人気の低評価だった。だが、最後方から鋭い末脚で伸び、5着を確保して下馬評を覆した。上がり3ハロンはデアリングタクトに次ぐメンバー2位タイと、世代屈指の切れ味を持っている。
前走の紫苑S(G3)は4着に敗れたが、スローなレース展開と休み明けということを考えれば、悲観する内容ではないだろう。
また、ディープインパクト産駒ということもプラス要素だ。
そして、マジックキャッスルに1番期待が持てそうなのは、国枝厩舎ということだ。
そんな国枝調教師は『スポニチ』の取材に対して、「(オークスは)椅子取りゲームに負けた。勝ち馬の位置を取り切っていれば結果は変わっていたかも」と、デアリングタクトとの進路争いが勝敗を分けたと語っている。直線の短い京都内回りコースでは、よりコース取りの影響が大きくなることだろう。
「国枝調教師はデアリングタクトが強いということを認めた上で、やってみないと分からないと意気込んでいます。『上手くロスなく立ち回って、終いの脚を活かせれば』と話しているように、立ち回り次第では逆転もありえると考えているはずですよ。
主戦の浜中俊騎手が騎乗停止のため、大野拓弥騎手に乗り替わりとなりますが、2週連続で追い切りに跨って感触を確かめています。国枝調教師からは『楽しんできなよ』と言われているようで、信頼されていることの表れだと思いますよ」(競馬記者)
そんなマジックキャッスルの最終追い切りは、すでに仕上がっているということで軽めの内容だった。
だが、併せた相手はなんと厩舎の先輩アーモンドアイだ。マジックキャッスルの1秒先行で行い、最後は馬なりで併入。2週後に天皇賞・秋(G1)を控える現役最強馬を「仮想デアリングタクト」として、最終調整に起用したのは陣営の気合の表れとも取れるだろう。
後ろから迫りくるデアリングタクトを抑え込むという意味では、秋華賞につながる追い切りかもしれない。さすが3冠牝馬を管理する国枝厩舎ならではの手法である。国枝調教師は「2冠馬がいますからね、手強いなと思います」と話しながら、ラスト1冠を虎視眈々と狙っているようだ。
アーモンドアイに気合を注入されたマジックキャッスルの激走に期待したい。
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