中年太郎の競馬ニュースまとめ

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JRA天皇賞・秋(G1)武豊キセキ「白紙」からの再教育。「ライバルはゲート」角居厩舎、8年前の悪夢払拭なるか

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 施された“教育”の集大成となるだろうか。

 

 11月1日、東京競馬場天皇賞・秋(G1)が開催される。アーモンドアイをはじめとしたG1馬7頭を含む豪華メンバー12頭により秋の盾が争われる。

 

 各陣営ともに「打倒アーモンドアイ」を合言葉に芝G1・8勝の偉業阻止を目論んでいるはずだ。その中でも、キセキ(牡6歳、栗東角居勝彦厩舎)に注目したい。

 

 今年初戦の阪神大賞典(G2)は単勝1.6倍の断然人気に支持されたキセキだが、まさかの大出遅れ。これが響いて7着に敗れるという波乱の始動戦となった。レース後、角居調教師は次走について「白紙です」とコメント。当初、予定していた天皇賞・春(G1)への出走を撤回した。


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 その後、新パートナー武豊騎手を背にゲート再試験に合格し、天皇賞・春へ参戦が決定。レースは無事にスタートを切ったものの、1周目のスタンド前で折り合いを欠いて6着に沈んだ。だが、無事にスタートを切ったことは大きな前進と言えるだろう。

 

 次走の宝塚記念(G1)もゲートを難なくクリアし、これまでの逃げとは一変、後方で脚を溜める競馬で2着に好走。武豊騎手の手綱により、今年初戦で見せた“課題”を解決できたのだ。

 

 秋始動戦の京都大賞典(G2)は凱旋門賞挑戦で不在の武豊騎手に替わり、浜中俊騎手が騎乗。折り合いに専念するレース運びで、グローリーヴェイズと3/4馬身差の2着に好走した。天皇賞・秋に向けて、収穫のある前哨戦と言えるだろう。

 

 管理する角居調教師は共同会見で「春先は戦略的にどうしようかと悩みつつの競馬ではありました。どうしても2000mを超えてくるとハミを噛んでしまうところがあるので、前に行くのか脚を溜めるのかというところです。ひと夏休養を入れてから、年齢的なこともあるのかも知れませんが、折り合いの進境を見せ始めています」と成長を感じさせるコメントをした。

 

 天皇賞・秋の舞台についても「2000mで走れるということは、より折り合いの心配も少なくなりますのでいいと思います」と話しており、今年2200m以上の距離を走ってきたキセキにとって、距離短縮はプラスとなりそうだ。実際に、18年の天皇賞・秋では3着と好走している。

 

阪神大賞典でキセキがゲートを出ようとしなかった時は、今後どうなることかと思いました。父ルーラーシップの気性面が色濃く出てきたのかと心配しましたが、大丈夫そうですね。もしかすると、ルーラーシップの苦い経験がキセキに活かされたのかもしれません」(競馬記者)

 

 父ルーラーシップも角居調教師の管理馬。5歳秋は天皇賞・秋を出遅れて3着、ジャパンCも出遅れて3着と、スタートさえうまく切れれば……というもどかしいレースが続いた。

 

 出遅れの深刻さは、3戦目となる有馬記念(G1)の前に角居調教師が「ライバルはゲート」と話したほどだ。陣営は無事にスタートを切れるように、馬具の工夫など対策を練った。しかし、その努力もむなしく、有馬記念は約10馬身遅れの大出遅れ。それでも3着に入ったことで、ゲートが最大の敵であったことが証明されることになった。

 

 もし、キセキも阪神大賞典後の“矯正”を誤っていたら、父と同じ道を歩んでいたかもしれない。

 

 武豊騎手と角居厩舎がキセキ復活へ尽力した結果は、天皇賞・秋で実を結ぶだろうか。

 

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