JRAエリザベス女王杯(G1)状態“上向き”ラヴズオンリーユー、勝てばクラブ初「〇〇超え」!窮地のDMMバヌーシーを再び救えるか!?
しかし管理する矢作調教師はひと叩きされた効果を感じている様子だ。最終追い切り後、「状態が一番良かったオークスの時を10とすれば前走は7ぐらい。今度は8から9には近づけると思う」と上積みを強調。復活を懸け、試金石の一戦となりそうだ。
そんなラヴズオンリーユーを所有するのは新興の一口馬主クラブ『DMMバヌーシー』。2016年に設立され、翌17年の夏に初年度募集馬がデビュー。1年目は3頭だけというさみしいラインアップだったが、キタノコマンドールという素質馬がクラシックを賑わせた。デビュー2連勝の勝ちっぷりから、皐月賞、日本ダービーでも上位人気となったが、大舞台では結果を出せず。その後、屈腱炎を発症し、復帰を目指すもかなわず、そのまま引退となった。
そんな“広告塔”を失ったDMMを救ったのが、2年目募集馬のラヴズオンリーユーだった。全兄にリアルスティールがいる良血馬は、13頭の中で最大の目玉として総額3億円超という破格の金額で募集された。
これには、「高すぎる」という声が大勢を占めたが、とんとん拍子で勝ち鞍を重ね、4戦目でオークスを制覇。新たなヒロインはスター不在となったDMMの窮地を救った。
そのラヴズオンリーユーはオークス後、勝ちきれない競馬が続く。それでも少しずつ賞金を積み重ね、現在の総獲得賞金額は2億2000万円を超え、回収率は70%に達した。もし15日のエリザベス女王杯を勝てば、1億円以上の賞金が加算され、クラブ史上初の回収率100%超えを果たす。
「DMMは、このレースを絶対に勝ちたいはずです。今年デビューした現2歳世代は有望な馬も何頭かいますが、ラヴズオンリーユーの1歳下の現3歳世代は、正直役者不足です。12頭がデビューし、9頭が勝ち上がりましたが、2勝馬は1頭もいません。しばらくはラヴズオンリーユーに頼らざるを得ない状況ですが、矢作厩舎ならその期待にあっさり応えても驚けないですよ」(競馬誌ライター)
ラヴズオンリーユーも血統的にはやや晩成型で、見限るのは早計。偉大な先輩、リスグラシューと同じような成長曲線を描くことはできるだろうか。
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