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JRA池添謙一「意識して乗りに来た」エリザベス女王杯(G1)の裏で作戦勝ち! G1より福島記念(G3)を優先した理由とは

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 15日、阪神競馬場で行われたエリザベス女王杯(G1)は、C.ルメール騎手の1番人気ラッキーライラックが人気に応えて優勝。17年のデビューから4勝目となるG1の勲章を手に入れ、昨年に続く連覇を達成した。

 

 欧州の名手C.スミヨン騎手と挑んだ1年前は、後方待機策から意表を突くインコース強襲で勝利。今年は8枠18番という大外枠からの発走となる不利もありながら、初コンビのルメール騎手が距離のロスを最小限に押さえるソツのない騎乗で勝利へと導いた。


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 一方、G1という華やかな舞台の裏で、福島記念(G3)を2番人気バイオスパーク(牡5、栗東・浜田多実雄厩舎)で制したのが池添謙一騎手だ。18年新潟記念(G3)をブラストワンピースで勝利し、JRA全10場重賞制覇にリーチが懸かっていた。

 

「数少ない人しか達成できていないので、それを意識して乗りに来ました。嬉しく思います」と、振り返った池添騎手。安田富男武豊藤田伸二横山典弘秋山真一郎(敬称略)に続く、史上6人目の記録だけに価値がある。

 

 1番人気エスポワールと挑んだ春の福島牝馬S(G3)では12着に大敗。2度目の挑戦となったのが、今年の福島記念だった。バイオスパークと同じくオルフェーヴルの産駒で達成したことも、同馬の主戦を務めていた池添騎手の喜びを倍増させただろう。

 

 また、レースでの技あり騎乗もさすがだったというほかない。この日の福島は最終週ということもあり、前が残りにくい馬場状態。トーラスジェミニの逃げをテリトーリアルが追いかけ、3番手以降が大きく離れる縦長の展開になった。

 

 1000m通過が59秒6と流れたレースを池添騎手は7番手で追走し、1番人気ヴァンケドミンゴを外に見る形。勝負どころとなった3、4コーナーで大外を回したライバルに対し、内の経済コースを通って、迫りくる相手の猛追をクビ差凌いだところがゴール。

 

 レース後、池添騎手は「リズム良く運ぶことを頭の中に入れて、いい形で我慢することができた。もともと折り合いは大丈夫な馬。仕掛けどころを間違えないようにと思っていたが、前が引っ張ってくれる流れだったからね」と、会心の勝利を振り返った。

 

 この池添騎手の騎乗に感心したのが、元JRA騎手の安藤勝己氏だ。自身の公式Twitterで「勝負強いもんな。奇しくもバイオスパークはオルフェ産駒か。ヴァンケドミンゴが安全策で来るのを読むかのように、とにかくロスのない立ち回り」と好騎乗を高く評価した。

 

「ゴール前の勢いは完全にヴァンケドミンゴが優勢でしたが、勝負を分けたのは直線に入るまでの進路取りですね。安藤氏が指摘したように騎乗した酒井学騎手の“油断”もあったと思います。

 

酒井騎手が『福島は得意のコースなので、あせって乗る必要はないと思っていました』とレース後にコメントしていたように、いい意味での”焦り”が足りていなかったように感じた騎乗でした」(競馬記者)



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 実は函館記念でバイオスパークが先着を許したドゥオーモに騎乗した藤岡康太騎手も同じくJRA全10場重賞制覇にリーチが懸かっていたが、こちらは馬場も展開も味方しなかった。

 

 ローカル重賞の勝利は、東京、中山、京都、阪神といった主要4場で騎乗することが多いトップジョッキーにとってレースに騎乗する機会も少ない。池添騎手が、G1であるエリザベス女王杯より、偉業の懸かるこちらを優先したのも分かる話である。

 

 夏の福島では、七夕賞(G3)でブラヴァスに騎乗した福永祐一騎手が、記録達成を狙ったものの、2着に惜敗。池添騎手に先を越される結果となった。

 

 年内はもうローカル重賞の開催は残されていないが、来年は誰が7人目として記録を達成するか予想するのも、ローカル重賞の楽しみ方かもしれない。

 

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