JRA福永祐一「結果だけが100点ではありませんでした」マイルCS(G1)「今年こそは……」で20年!? インディチャンプで「初挑戦」目覚めぬ「悪夢」に思うのは……
しかし、2年目の1999年にいきなりチャンスは巡ってくる。キングヘイローでの参戦だ。
父は80年代ヨーロッパ最強との声もあるダンシングブレーヴ、母がケンタッキーオークスなどアメリカのG1を7勝した名牝グッバイヘイローという世界的な良血馬。これまで強敵が揃う中距離中心に使われてきたが、天皇賞・秋(G1)から距離短縮のマイルCSでは4番人気に推されていた。
しかし、レースでは先に外から捲っていったエアジハードがそのまま押し切り、惜しくも2着。2年目での勝利は叶わなかったのだが……この先18年も勝てないことは、想像していなかっただろう。
2000年のマイルCSはアグネスデジタルが勝利。前年にデビューし、4戦目まで福永騎手が手綱を握っていた馬だ。その後は的場均騎手(元JRAジョッキー)に乗り替わり。この年、福永騎手はエイシンプレストンに騎乗し5着に敗れた。
2001年、2002年はエイシンプレストンで巻き返しを図った福永騎手であったが、ともに2着惜敗。2003年は1番人気に推されたサイドワインダーに騎乗したが8着に敗れている。
2010年に優勝したのは、岩田康誠騎手のエーシンフォワード。2007年に福永騎手でデビューした同馬は、例の如く4戦目まで手綱を握ったが、その後は別の騎手が騎乗。この年、福永騎手はゴールスキーで3着に敗れた。
しかし、勝ち切れずに3着惜敗。マイルCSでの「悪夢」は、この後も続いていく。
2014年は最もチャンスが大きかったのかもしれない。フィエロに騎乗した福永騎手は、好スタートから3列目の中を追走。直線で前が開くと迷わず飛び込んだ。
レース後「思った以上に早く前が開いてしまった。スタートもよかったし、いうことはありませんでしたが、結果だけが100点ではありませんでした」と悔しがった福永騎手。前年のマイルCSで福永騎手が騎乗し3着に敗れたダノンシャークは、前走まで手綱を握っていた「お手馬」であった。
そんな福永騎手にとって、昨年のインディチャンプも「今年こそは……」と思っていただろう。デビュー5戦目から主戦に抜擢、安田記念を制し春秋マイルG1連覇がかかった一戦だった。
しかし、またしても福永騎手をアクシデントが襲う。
2019年11月9日、東京競馬場で行われた2歳未勝利戦(芝1800m)でソフトフルートに騎乗した福永騎手は、最後の直線で斜行。11月24日までの騎乗停止処分となり、前走まで7戦連続でコンビを組んだインディチャンプへの騎乗が叶わなくなったのだ。
急遽、乗り替わりとなったのは池添謙一騎手である。
レースでは、インディチャンプがまずまずのスタートから4、5番手の絶好ポジション。最後の直線では、外から先に抜け出したダノンプレミアムを見る形で抜群の手応えだった。
残り200m手前から余裕たっぷりに仕掛けられると、一気に突き抜けたインディチャンプ。最後はダノンプレミアムに1馬身半差をつけての快勝だった。
福永騎手にとって不運が付きまとうマイルCS。今年はメンバーも揃っているが、昨年の覇者・インディチャンプも有力馬の1頭だ。
インディチャンプでのマイルCSは「初挑戦」となる福永騎手。「今年こそは……」やはり今回も、そう思っているのではないだろうか。
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