JRA・M.デムーロ「悪癖」の犠牲になった“隠れ”重馬場巧者!? 「雨予報」宝塚記念(G1)は「あの馬」の激走に要注意!
有馬記念(G1)4勝に加え、この宝塚記念も3勝。通算7勝は、武豊騎手と並ぶ歴代最多勝利となる。ただ、4番人気以内でしか馬券に絡んだことがない武豊騎手と比較して、池添騎手は11番人気で勝利したスイープトウショウを始め、穴馬でも期待できる。同じ「グランプリ男」でも、狙いたいのはこちらだ。
そんな池添騎手が騎乗するのは、充実著しいモズベッロ(牡4歳、栗東・森田直行厩舎)だ。
今年1月の日経新春杯(G2)で重賞初制覇、続く日経賞(G2)でも2着したものの、前走の天皇賞・春(G1)で7着に惨敗したためか、『netkeiba.com』による事前オッズでは単勝万馬券となっている。
G1馬8頭が顔を揃えた豪華メンバーの中では実績不足かもしれないが「だからこそ狙いどころ」という声もある。
「前々走の日経賞は2着でしたが、ゴール手前で勝ったミッキースワローに寄せられる不利。JRAがミッキースワローの降着を発表しなかったため、不利がなければ勝っていたとは言えませんが、鞍上の横山(典弘)騎手が騎乗停止処分を受けるほどのアクシデントでした。
また前走の天皇賞・春はスタートで後手を踏んでしまい、道中でも引っ掛かる不完全燃焼のレース。距離も長かったと思いますし、充実一途のモズベッロの力がG1で通用するか、本当の意味でわかるのは今回だと思いますよ。鞍上がグランプリ男の池添騎手なら狙ってみたいです」(競馬記者)
この結果を見て、モズベッロに「消し」の判断を下すファンも少なくないだろう。ほぼ何もできずに18頭中17着、勝ったリオンリオンから2.3秒も離されたレースは、それだけ酷い内容だった。
しかし、その裏には「ある事情」があったようだ。
「昨年のセントライト記念はスタートで出遅れて、ほぼ集団について行くだけのレースに終わってしまいました。ですが、実は鞍上のM.デムーロ騎手は、最後の直線で1発のムチも入れていないんですよ。そこまで集団から遅れていたわけでもないんですけどね……。
『勝ち目がないので、馬に無駄な負荷を掛けない』という判断だと思いますが、デムーロ騎手の諦めの早さは以前から一部の関係者の間でも問題視されており、このレースは典型的なパターンでした。もちろん、デムーロ騎手が諦めなければ勝っていたと言うつもりはありませんが、着順ほど酷いレースにならなかった可能性はありますね」(別の記者)
実際に、モズベッロは重馬場で行われた2200mの1勝クラスで2着馬に3馬身半差、3着馬に至っては9馬身半の大差をつけて圧勝している。その時の鞍上もデムーロ騎手だったこともあり、大敗したセントライト記念の後も「(重い)馬場は合いそうだったが……」と話していたそうだ。
「折り合い面を考えれば、この距離は悪くない。このメンバーでどれだけやれるか」
陣営も不完全燃焼に終わった前走の天皇賞・春が納得いかなかったのか、諦めムードどころか下剋上の“野心”に燃えている。明確な敗因がある近2走に加え、鞍上にはグランプリ男の池添騎手。「隠れ重馬場巧者」といえるモズベッロが真価を示すのは今回だ。