JRAサートゥルナーリア“最弱世代”のお山の大将!? 宝塚記念(G1)大本命に“過大評価”の声も……。アノ世代を下回りかねない悲惨な状況とは
来年2月で厩舎の解散が決定している角居勝彦厩舎。言わずと知れた名門厩舎だが、意外にも宝塚記念(G1)は未勝利に終わっている。2012年のルーラーシップ、15年のデニムアンドルビー、19年のキセキと3度の2着はあるが戴冠には至っていない。角居調教師にとって、今年が宝塚記念制覇のラストチャンスとなるのだ。
昨年の有馬記念(G1)ではリスグラシューに5馬身ちぎられたが、歴戦の古馬相手に2着と大健闘したサートゥルナーリア。今年の始動戦・金鯱賞(G2)を危なげない走りで勝利し、宝塚記念へとコマを進めてきた。阪神コースは神戸新聞杯(G2)で3馬身差をつける圧勝をした舞台のため、コース替わりはサートゥルナーリアにとって大歓迎だろう。
また、1週前追い切りは栗東・CWコースで、6ハロン79秒8、ラスト11秒2の超抜時計を記録。最終追い切りは坂路で4ハロン51秒3、ラスト12秒2をマークし、万全の仕上がりを見せている。皐月賞(G1)以来のG1・3勝目に向けて、舞台は整ったはずだ。
だが、サートゥルナーリアは“過大評価”されているという意見もある。
「昨年の有馬記念では2着に好走していますが、レース展開が向いたという側面があります。後方からレースを進めた馬が上位を独占しており、サートゥルナーリアもその1頭。さらにフィエールマン、キセキといった古馬の強力なライバルは海外からの帰国初戦だったため、ベストな状態ではなかったはずです。
さらにサートゥルナーリア世代には“最弱世代”の疑いもある。
実は、現4歳世代の牡馬は未だにJRAの古馬芝G1を勝利した馬が1頭もいない。昨年のスプリンターズSに始まり、天皇賞・秋、マイルCS、ジャパンC、有馬記念、今年の高松宮記念、大阪杯、天皇賞・春、安田記念まで、すべて年長馬か同世代の牝馬に負けてしまっているのだ。
これは過去に「最弱世代」とも揶揄された09年にクラシックを迎えたロジユニヴァース世代以来のことである。
サートゥルナーリアがこれまで激闘を繰り広げてきた同世代のライバルで、ダノンキングリーは毎日王冠(G2)、中山記念(G2)を勝利し、大阪杯(G1)でも3着と健闘している。だが、それ以外は不振にあえいでおり、ヴェロックスは小倉大賞典(G3)で9着に惨敗、ワールドプレミアは体調が整わず春全休といった状況だ。同世代が結果を残していれば、自ずとサートゥルナーリアの評価も上がるのだが、そうはいっていない。
今年、サートゥルナーリア以外で宝塚記念に出走する4歳牡馬は、トーセンカンビーナ、レッドジェニアル、メイショウテンゲン、モズベッロの4頭。各馬人気薄が予想されるため、ナカヤマフェスタの再来を期待するファンは、こちらを狙ってみるのもありかもしれない。
最弱世代疑惑の持たれる現4歳の総大将サートゥルナーリア。宝塚記念を勝利して、世代代表の意地を見せることができるだろうか。もし負ければ、最弱世代の烙印を押されてしまうかもしれない。
今年の宝塚記念は、4歳牡馬の健闘を祈りたい。