JRA“小倉難民”が占める新潟の味!? 開幕週24レースで関西馬「17勝」怒涛の猛威に関東関係者から悲鳴……

keibajou

 先週から開幕した夏の新潟開催。ある程度予想されていたとはいえ、やはり関西馬の独壇場といった結果だった。

 

 土日で24レース中、関西馬が17勝、2着も16回、3着は10回と好走。特別戦にいたってはアイビスサマーダッシュ(G3)を含め関西馬が6レースすべてを勝利し、土曜はなんと1~3着を独占した。

 

 1着は全体の70.8%で2着も全体の68.7%なのだから、あらためて関西馬の強さが浮き彫りになったとみていいだろう。

 

 ただこの結果は開催前から想定されていたものでもある。というのも、もともとは東京オリンピックの影響で開催が制限され、今年は本来あるはずの小倉開催が8月15日まで行われないのだ。小倉開催がない分、小倉遠征予定の関西馬が新潟に集中するのは当然だろう。

 

 さらにレースの出走を制限する東西ブロック性も、この3週間は合わせて解除。加えてコロナウイルスの感染防止で、北海道開催の函館競馬場トレセンとして使えず、関西から北海道への遠征組も減少。以上の理由から、多くの関西馬が新潟に出走すると見込まれていたのである。

 

 ちなみに昨年の新潟開幕週は、ブロック制が実施されていたこと、そして小倉開催が開催されていたこともあり、関西馬の出走は少なかった。その勝利数もわずか2勝なのである。つまり今年の開幕週で関西馬は、昨年の8.5倍の勝利数を記録したのである。

 

 関西馬が多く勝つということは、当然その関西馬に騎乗する騎手も同様の傾向となっている。

 

 通常、夏の新潟開催は関東の騎手が活躍しており、2回新潟開催リーディングも2016年から2019年まで関東のジョッキーが獲得。しかし今年の開幕週では関西の福永祐一騎手と松山弘平騎手がそれぞれ3勝でトップに位置しており、有力な関西馬に多く騎乗できる関西のジョッキーが有利な状況となっている。

 

 実際に先週も24レース中、関西所属騎手が16勝で関東所属騎手8勝の倍を勝ち、勝率66.7%を記録している。夏の新潟開催は関東の騎手にとって稼ぎどころだったはずだったのだが……。

 

 また関西所属調教師の成績をじっくり見てみると、関西馬の勝負気配が高いことがわかる。先週17勝をあげた関西厩舎の上位5つの厩舎の勝率・連対率はえげつない数字になっているのだ。



藤原英昭 [2.1.0.4] 勝率28.6%・連対率42.9%・複勝率42.9%

 

高橋義忠 [2.0.1.1] 勝率50%・連対率50%・複勝率75%

 

岡田稲男 [2.0.0.2] 勝率50%・連対率50%・複勝率50%

 

本田優  [2.0.0.2] 勝率50%・連対率50%・複勝率50%

 

中竹和也 [1.1.0.0] 勝率50%・連対率100%・複勝率100%

 

 勝率も連対率も複勝率もすべて高水準。関東でトップの厩舎でも、出走回数4度以上に絞れば最高でも勝率は松永康利厩舎の25%(4戦1勝)となっており、その差は歴然。この成績からも、多くの関西馬が新潟に照準を合わせて勝負の仕上げを施し、そして結果を出したことがわかる。

 

 ちなみに例年夏の2回新潟開催は、騎手同様に調教師も関東所属が上位を独占。昨年はなんと1~32位が関東の調教師だった。そして2016~2019年の開催リーディングは関東の調教師であり、中でも木村哲也厩舎はその4年のうち3度もリーディングを獲得しているほど。騎手同様に関東の調教師にとって稼ぎどころとなる夏の新潟開催。今年は例年と違う傾向となっており、さすがに“悲鳴”が聞こえてきそうだ。

 

 新潟競馬場は関東ローカルという位置付けにあり、距離も美浦トレーニングセンターから390km(約5時間)に対し、栗東トレーニングセンターからは550km(約6時間30分)と関東馬が輸送も有利だ。

 

 しかし栗東トレーニングセンターから新潟競馬場へは、高速道路の出入口が近く「信号に引っかかる数もわずか」と言われるほど利便性が高いという。そういった行きやすさもあり、残り2週間の新潟開催も関西馬の攻勢が続くとみられる。関東の調教師や騎手にとっては、小倉開催が始まる8月15日までの辛抱といったところだろうか。