中年太郎の競馬ニュースまとめ

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JRAヴェルトライゼンデ菊花賞(G1)で逆転に意外な「伏線」!? コントレイルに襲い掛かる「28年前」の黒い刺客

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 無敗で2冠を制した日本ダービー(G1)以来となる秋の始動戦を盤石の勝利でクリアした王者に不安は一切ないのだろうか。

 

 27日、中京競馬場で行われた菊花賞トライアル・神戸新聞杯(G2)は春2冠を無敗で制したコントレイルが優勝。



 福永祐一騎手が難しいレースだったと振り返ったように、道中では馬群に包まれるピンチはあったものの、直線に入って福永騎手は慌てることなく冷静に進路を見つけ出すと一気に加速。持ったままで2馬身抜け出す完勝劇は、”事実上の3冠確定”を印象付けるには十分な走りといえる。

 

 だが、このまま無敗で3冠達成が濃厚と見られている王者コントレイルにとって、歓迎できない材料が見つかったかもしれない。3冠失敗の意外な「伏線」は馬自身ではなく、過去の2冠馬の菊花賞(G1)にあった。

 

 それは、遡ること28年前、春の2冠を無敗で制したミホノブルボンが「関東の刺客」ライスシャワーに3冠を阻止された1992年の菊花賞である。ミホノブルボンはデビューから無敗の7連勝で京都新聞杯(G2・当時は秋開催)を制し、3冠を期待された菊花賞では単勝1.5倍の圧倒的1番人気の支持を受けた。

 

 だが、逃げたキョウエイボーガンにペースを乱されたことも影響してか、ゴール寸前でライスシャワーの強襲に屈し2着に敗退。前走の京都新聞杯ミホノブルボンの2着に敗れていたライスシャワーの本番での逆転劇は、無敗の3冠達成を信じた競馬ファンにとっては衝撃の敗戦でもあった。


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 そして、今年の神戸新聞杯でコントレイルの2着に敗れたヴェルトライゼンデ(牡3、栗東池江泰寿厩舎)もまた、ライスシャワーの再現を期待できそうな雰囲気がある馬だ。

 

 コントレイルとミホノブルボン、それぞれとの対戦成績が非常に似ているのだ。

 

 絶対王者として君臨してきた無敗の2冠馬と、脇役の1頭に過ぎなかった穴馬の主役交代劇が、再び淀の長距離で起こり得るだろうか。

 

ライスシャワー、ヴェルトライゼンデの菊花賞までの主な成績
スプリングS(G2)12番人気4着、1番人気2着
皐月賞(G1)  11番人気8着、4番人気8着
東京優駿(G1) 16番人気2着、10番人気3着
京都新聞杯(G2)2番人気2着、神戸新聞杯(G2)3番人気2着
※当時の京都新聞杯は秋開催で現在の神戸新聞杯に該当。

 

神戸新聞杯のヴェルトライゼンデは確かに完敗に映りますが、陣営からはそれほど悲観していないように思えます。馬群に包まれたとはいえ、コントレイルは好位からの抜け出し。対するヴェルトライゼンデは8枠18番の大外枠という不利もあって、終始外々を回らされる距離のロスがありました。

 

直線に入って残り400mあたりで外に出されて追い上げましたが、実質直線だけの競馬になっています。ダービー後に骨折が判明した上に、熱発によって当初予定していたセントライト記念(G2)を使えないというアクシデントもありました。これらを考慮すると、本番前のトライアルレースとしては上々の結果だったといえるでしょう」(競馬記者)



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レース後のコメントでもヴェルトライゼンデの主戦・池添謙一騎手は「次が楽しみになりました」と菊花賞に向けて好感触だ。池江調教師もまた「3冠を獲るところを、このまま指をくわえて見ているわけにはいかないからね。可能性はゼロではない。いろいろと策を練りたい」とまだまだ王者逆転を諦めてはいない。



 秋を迎えて気性的な成長を見せ、抜群の操縦性を披露したコントレイルだが、長距離の適性については万全とはいえない側面がある。ミホノブルボン3冠失敗の年には逃げ馬キョウエイボーガンの出走が障害となったが、今年は同じく逃げ馬のバビットが出走を予定している。

 

 同馬が前走のセントライト記念で見せたロングスパートに持ち込む展開になれば、スタミナ勝負は避けられない。そうなると初の3000mに不安を残すコントレイルに対し、昨年の菊花賞馬であるワールドプレミアを兄に持つヴェルトライゼンデが優位に立てる可能性も高くなる。そして同馬の父ドリームジャーニーもまた、オルフェーヴルの全兄だ。

 

 11年にオルフェーヴルを3冠達成に導いた池添騎手・池江師のコンビが送り込むヴェルトライゼンデなら、ライスシャワーの再現もあるかもしれない。