JRAダンシングプリンス「モズスーパーフレア超え」驚異的スピードで6連勝! ダートの怪物、3戦連続「芝スタート」に感じる可能性に陣営は……
16頭立てで行われたダート1200mのレース。発馬こそまずまずだったダンシングプリンスだが、圧倒的なダッシュ力を見せて迷わずハナへ。後続からマークされる厳しい展開となったものの、最後の直線でもうひと伸び。ゴール前では、鞍上の三浦皇成騎手が手綱を緩める楽勝劇だった。
「時計以上にきつい競馬の中、よく突き放してくれました。息が入ったのは3コーナー過ぎで、そこからリズムを取り直して粘ってくれました」
レース後、そうダンシングプリンスを評価した三浦騎手。この日は、やや溜め気味の逃げで、最後に後続を突き放した走りは確かな進化といえるだろう。
「3連勝でJRAへ再転厩してから1勝クラスを1.6秒差、2勝クラスを0.7秒差とじょじょに着差が詰まっていたこともあって、今回が試金石になると思っていました。
今回は0.2秒差まで詰まりましたが、手応え的にはまだまだ余裕がありそう。前走でダート1150mの日本レコードを更新するなど、すでにオープンクラスでも遜色ない時計を記録しているだけに、今後ますます楽しみが広がりますね」(競馬記者)
また、この日が開催日ということもあってか、来年のスプリンターズS参戦を推す声もあるから驚きだ。
「ここまでの6連勝はすべてダートですが、中央に戻ってからの3戦は、いずれも芝スタートで驚異的なダッシュ力を見せています。あの走りを見せられると『芝でもやれるんじゃないか』と思わせてくれますね。
芝では昨夏2戦して未勝利でしたが、あの時とは馬が違いますし、父パドトロワも芝の短距離で活躍した馬。宮田調教師ら陣営が来年のドバイゴールデンシャヒーン(G1)を目標にしていることから、当面はダートになりそうですが、いずれは芝の走りも見てみたい馬です」(別の記者)
記者が話す通り、この日の外房Sも芝からのスタートとなったが、ダンシングプリンスが最初の200mで刻んだラップは11.8秒。これはスプリンターズSでモズスーパーフレアやビアンフェが刻んだ11.9秒よりも速い。
あくまでテンのスピードに過ぎないが、ダンシングプリンスにも今年のスプリンターズSで主導権争いに加われた可能性があったことは確かだろう。
「ちなみに、当時のスプリンターズSを勝ったのはカレンチャン。産駒では、先日オープン入りを果たしたカレンモエという馬がいます。こちらも強い内容で3勝クラスを勝ち上がり、今後のスプリント路線で注目されている存在。
「もっと力をつけないと、上のクラスではこのパフォーマンスができないと思います。牧場からスタッフが大事に仕上げてくれたので、勝因はそこにあると思います」
最後には、そう兜の緒を締め直した三浦騎手。自身にとっても待望のG1初制覇へ、地方から帰ってきた“怪物”が、いよいよ一線級に殴り込みをかける。
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