元JRA細江純子さん「アーモンドアイ限界説」示唆!? 天皇賞・秋「正直、あれ?」「今までとは少し違う」大記録目前も拭えないロードカナロア産駒の傾向
この動きに主戦のC.ルメール騎手は「完璧な追い切り。トップコンディションになりました」と絶好調宣言。管理する国枝栄調教師も「やっぱりすごい馬」と大きな手応えを感じている様子。併せたアンティシペイトを2馬身、ロジスカーレットを5馬身、悠々と突き放した最強女王が、まずはその貫禄を見せつけた格好だ。
しかし、このアーモンドアイの迫力満点の追い切りを不安視する声があるから驚きだ。
「元々、追い切りは動く馬ですが正直、少しハードワーク気味だった気もします。昨年の天皇賞・秋でもアーモンドアイは同じ美浦のウッドで5ハロンを追い切っていますが、その時の時計は65.4秒。安田記念以来のレースというのは同じなのに、今年は64.4秒と1秒も全体時計が速い。
良く言えばパワーアップしていると言えなくもないですが、3冠牝馬の5歳秋ですからね。近走の戦績からも、どちらかといえばパワーダウンの方が心配。大記録が懸かっているだけに、杞憂に終わればいいんですが……」(競馬記者)
記者曰く、アーモンドアイが「ハードワークだった」ことには理由があるようだ。
「放牧から帰ってきてから、少しおっとりしているというか、全体がやや緩んでいる印象です。陣営が『目方は少し立派で、490kgちょっと』(前走・安田記念488kg)と話している通り、馬体重が少し重め残りなのもありますが、数字以上にふっくらしている印象。最終追い切りが昨年よりもハードだったのは、陣営がその辺りを考慮してのことでしょう」(同)
『netkeiba.com』で連載されている「プロが指摘するパドック診断」に登場した細江さんはアーモンドアイの写真を見た第一声に「正直、あれ? こんなにも大きかったかな?」という印象を持ったという。
また「今まで感じてきたアーモンドアイとは少し違う気がする」というのも気になるところだ。
◆年齢別集計 集計期間:2017. 6. 4 ~ 2020.10.25
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年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率
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2歳 112- 81- 68- 481/ 742 15.1% 26.0% 35.2%
3歳 205- 189- 163-1417/1974 10.4% 20.0% 28.2%
4歳 100- 86- 74- 529/ 789 12.7% 23.6% 33.0%
5歳 26- 16- 25- 224/ 291 8.9% 14.4% 23.0%
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上記の通り、ロードカナロア産駒は総合的に仕上がりが早く、加齢と共に成績が下降する傾向にある。
特に5歳を迎えたアーモンドアイら初年度産駒においては勝率、連対率、複勝率ともに大きくダウン。年齢別でも最低の数字となっており、さらに「牝馬」に限定すると勝率6.8%、連対率12.1%、複勝率24.2%とさらに悪化する点は見逃せない。
「年齢と共にママに近づく頃でもあり、この時期の体の変化は心配になるところも…」
そうアーモンドアイの寸評を締めた細江さん。昨年に続く天皇賞・秋連覇を達成するようならディープインパクトやシンボリルドルフ、キタサンブラックといった歴代の名馬を超える芝G1・8勝の新記録を達成するアーモンドアイだが、「限界」はすぐそこまで来ているのかもしれない。
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