JRA浜中俊「勝ったと思った」ジャパンC(G1)肌で感じた「世界との差」コンビ最後の挑戦「2013年」起こせなかった“奇跡”

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三冠馬3頭が揃う「空前絶後」のジャパンC(G1)。

 

 東京2400mという舞台は、3歳世代の頂上決戦である日本ダービー(G1)とオークス(G1)。今回のジャパンCも含め、中央競馬を代表する主要コースである。

 

 そんな東京2400mで行われるジャパンCに、特別な思いを持って参戦するのが角居勝彦調教師。来春に勇退を控え、この舞台でG1を戦うのは、これが最後となる。

 

 過去にはシーザリオトールポピーオークスを制覇。日本ダービーでは、ウオッカとロジャーバローズで東京2400mのG1を制した。

 

 今週行われるジャパンCでも、過去にウオッカエピファネイアで勝利。師にとっても思い出深いコースだ。

 

 29日に行われる師にとって最後のジャパンCは、キセキ(牡6歳、栗東角居勝彦厩舎)での出走を予定。同舞台の日本ダービーを制したロジャーバローズと同じ浜中俊騎手とのコンビだ。

 

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 しかし、ジャパンCでいえば、思い出されるのは2013年。デニムアンドルビーで挑んだジャパンCだ。

 

 デニムアンドルビーは、デビュー戦から1番人気とファンの期待を集めたが、2着惜敗。続く未勝利戦も2着と勝ち切れなかった。

 

 しかし、3戦目の牝馬限定の未勝利戦を後方からの競馬で勝ち上がると、続くフローラS(G2)も勝利。オークスでも1番人気に推されていた。
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 だが、オークスでは出脚がつかず、後方から追い込むも3着と期待を裏切る結果。続くローズS(G2)も出遅れたが能力の違いで差し切り、素質の高さを証明して見せた。

 

 しかし、秋華賞(G1)で4着、エリザベス女王杯(G1)で5着と振るわず。後方からの競馬がネックとなり、差し届かずという競馬が続いた。

 

 秋華賞までは1番人気だったデニムアンドルビーもじょじょに陰りが見え、エリザベス女王杯では3番人気。続くジャパンCでは7番人気の伏兵扱いであった。

 

 1番人気に推されたのは、1つ上の世代である4歳のジェンティルドンナ。前年に牝馬三冠を達成した女傑であった。

 

 レースでは好スタートを切ったエイシンフラッシュが逃げる展開。同じく好スタートだったジェンティルドンナも先頭集団を見る形で好位を追走した。

 

 一方、デニムアンドルビーは、この日も後方からの競馬。とはいえ、これまでよりは二の脚もつき中団馬群の後方を進んだ。

 

 4コーナーで一気に馬群は固まり直線へ。内から抜け出したジェンティルドンナが剛腕R.ムーアの鞭に応える。しかし、外から一頭分の隙間を縫って追い込んできたのがデニムアンドルビーだ。

 

 大外を回さずに馬群をついた浜中騎手の好判断。ジェンティルドンナとの差を一完歩ずつ詰め、ゴール前で鼻面を併せたところがゴール。



デニムアンドルビーの悲願達成かとも思われたが、結果はハナ差の2着。レース後、浜中騎手は「勝ったと思った」と振り返った。

 

 僅かの差で勝利を逃した浜中騎手。「馬はポテンシャルの高さを見せてくれた。あの差が世界との差です」と、ジェンティルドンナに騎乗したムーア騎手を称賛した。とはいえ、このレースは2着馬に騎乗した浜中騎手以外、掲示板を外国人騎手が独占。浜中騎手の好騎乗も光ったレースであった。

 

 今年のジャパンCは、菊花賞(G1)以降勝ち星がないキセキで挑む、浜中騎手と角居調教師のコンビ。3歳秋以降の勝ち星がないという意味では、ローズS以降の勝ち星がなかったデニムアンドルビーと似た境遇だともいえる。
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 デニムアンドルビーで起こせなかった“奇跡”を――。

 

 このコンビで挑むジャパンCは今年が最後。あの時の無念を晴らす渾身の騎乗に期待したい。

 

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