中年太郎の競馬ニュースまとめ

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JRA毎日王冠(G2)ダイワキャグニー前走快勝もなぜ「去勢」!? 初重賞勝ち6歳馬にあえて陣営が決断した理由

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 11日、東京競馬場では毎日王冠(G2)が行われる。1800mで開催される重賞ということもあり、マイルCS(G1)や天皇賞・秋(G1)を視野に入れる馬が集まる伝統のG2である。昨年はこのレースで2着に入ったアエロリットが秋の天皇賞を3着、3着に入ったインディチャンプはマイルCS優勝と結果を出したように、例年ハイレベルの戦いが繰り広げられている。

 

 今年は春の牡馬クラシック2冠を無敗で制したコントレイルに敗れたものの、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)をともに2着と好走したサリオスが参戦。3歳世代NO.2の走りには大きな注目が集まるだろう。

 

 だが、牡馬クラシック戦線で好走していたブラックホール札幌記念(G2)を4番人気で9着に敗れ、ワーケアが新潟記念(G3)を1番人気で10着に敗れるなど、古馬の壁にぶつかるケースも珍しくはなかった。



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 毎日王冠で立ちはだかりそうなのは6月のエプソムC(G3)を快勝したダイワキャグニー(騙6歳、美浦菊沢隆徳厩舎)だ。前走をエプソムCから挑んだ馬は、過去10年の毎日王冠で最多3勝と好相性のステップである。

 

 その一方、ダイワキャグニーの”とある変化”に気付いたファンからは驚きの声も上がった。6歳にして初重賞制覇を遂げて充実ぶりを見せた馬が去勢されており、騙馬として登録がされていたのである。

 

 競走馬にとっての去勢は、一般的に気性の問題やレースへの集中力の欠如などの改善を目的に行われることが多い。それに対してダイワキャグニーの場合は、成績的にも頭打ちとは言い難く、競走生活も後半に差し掛かるであろう6歳というタイミングでの去勢には違和感がある。

 

 にもかかわらず、陣営が去勢に踏み切ったのはなぜだろうか。

 

 この件について『日刊スポーツ』の記事で触れられていた。詳細はそちらをご覧いただきたいのだが、ダイワキャグニーを管理する菊沢師は「馬っ気がひどかったし、ガチガチに(硬く)なりすぎてなかなかスッキリしなかった。先々の競走生活のことも考えて手術をした」と去勢に踏み切った理由を振り返っている。

 

 高い能力を持ちながらも、負けたレースでは大敗することも珍しくないダイワキャグニーは激しい気性との戦いという側面も少なからずあった。エプソムCを制したようにまだまだ上昇を期待できる馬だからこそ、さらなる飛躍を期待しての決断だったようだ。

 

 師は去勢後について「体がシャープになって若返った感じ。性格も落ち着いてきたし、馬房では別馬のよう。頭をなでられることも嫌がっていたからね。優しくなった」とコメントしていることからも、その効果は今のところいい方に作用しているといえるだろう。



「追い切りで自己ベストをマークしたくらいですから、効果てきめんだった可能性もありますね。実績的に種牡馬入りの期待は低かっただけに、陣営が競走馬としてもう一花咲かせたいと考えたのも納得できます。

 

地方に移籍したサウンドトゥルーも騙馬ですが、10歳になった今年もまだまだ元気に重賞で活躍をしています。日本ではそれほど目立っていませんが、海外では騙馬のG1馬も珍しくはありません」(競馬記者)



 それでも日本の場合、「最終手段」の意味合いで去勢されるケースが多いことは確かだ。

 

 一見、不思議に感じられる初重賞勝ちというタイミングでの去勢も、ダイワキャグニーの可能性を信じたからこそと考えられる。去勢されたからといって必ずしも好結果を得られるとは限らないリスクもあるだけに、陣営には大きな勇気を必要とする決断だったかもしれない。

 

 この判断が正しかったことを証明する意味でも、毎日王冠のダイワキャグニーには大いに期待したい。

 

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